医学系研究科小児病態学分野・教授、呉 繁夫先生による「第6回Network Medicine特論」を実施しました。
タイトル:「小児難病の病因遺伝子の同定」
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第6回NM特論は、小児病態学分野・呉繁夫教授によるご講演です。
小児脳卒中の主因であり、日本人に多いといわれるモヤモヤ病について、病因遺伝子を発見するに至った経過を中心に解説いただきました。先生は、大学院時代から遺伝子解析研究に取り組まれて来たとのことですが、PCRもなかったその当時は、様々な工夫を凝らしながら遺伝子解析を行って来たそうです。マイクロサテライトマーカーによる連鎖解析も、今からすればかなり粗いものだったようですが、その後SNIPアレイを用いた解析、GWAS、そして現在は、エクソーム・シークエンスを使っておられるとのこと。先生の研究がそのまま解析技術の歴史の進展と共に歩んで来られたようで、大変興味深かったです。
1つ1つ仮説を立てながら検証を進め、病因となる感受性遺伝子RNF213を同定し、それがユビチキン・リガーゼとして作用していることも含め、今後解析を進めて行かれるというお話でした。
遺伝子が特定されることで、遺伝子検査による発症リスク診断が可能になりましたが、今後の研究により、モヤモヤ病の新しい治療へと結び付くことが期待されてやみません。
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