東北大学大学院情報科学研究科・准教授、大林 武先生による「第10回Network Medicine特論」を実施しました。
タイトル:「ゲノム情報解析としての遺伝子共発現ネットワーク」
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NM特論最終回は、情報科学研究科・大林武准教授によりご講演いただきました。
「遺伝子共発現データベース」を用いて、タンパク質複合体や代謝経路などの関係性・ネットワークの発見を例示いただき、遺伝子を個々に捉えるのではなく、共発現しているものを探索し、それを大きくネットワークとして捉えることで、新しい機能推定を可能にしています。その成功例は興味深いものでした。先生は、共発現データベースATTED-Ⅱ(植物研究向け)、COXPRESdb(動物研究向け)を構築し、現在も開発を続けておられるとのこと。その構築にあたっては、「タンパク質間の相互作用が既に報告されているもの」、「種を越えて類似関係が保存されているもの」等の情報を加えることで、生物学的意味づけもしようという、分子生物学ご出身ならではの観点を取り入れられたそうです。
さらに、病気の症状と原因遺伝子のネットワークにより創薬のターゲット遺伝子を見れる、という活用例も紹介されました。
様々なシチュエーションに応じた動的なネットワークも推定して行こうという試みについても話され、先生の研究の壮大さに感銘を受けました。
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