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成果報告(2010年度)

「腎内の酸性環境の制御が慢性腎臓病進行抑制につながる治療法となり得る」ことを発見

ポンチ図

腎高血圧内分泌学分野・相馬友和さん(大学院生)、伊藤貞嘉教授らと山本雅之教授(医化学分野)らとの共同研究グループは、「腎内の酸性環境の制御が慢性腎臓病進行抑制につながる治療法となり得る」ことを発見しました。この発見は米国の腎臓内科学会雑誌Journal of the American Society of Nephrologyの電子版に3月4日に掲載されました。

【研究内容】
慢性腎臓病は日本国民の約10%が罹患する国民病であり、進行に伴い心血管系合併症が発症し、末期腎不全に陥れば血液透析をはじめとする腎代替療法が必要となる大きな健康上の問題です。しかし、従来までの治療方法のみでは進行抑制効果は不十分であり新規の慢性腎臓病治療法の開発が急務となっていました。
本研究チームは、慢性腎臓病の進展に重要な役割を果たす蛋白尿に伴う酸化ストレス蓄積が、腎臓の生理的な酸性環境にて増悪することを、近位尿細管培養細胞および実験動物(マウス)を用いて示しました。さらに、この生理的酸性環境による酸化ストレスの増強が非受容体性チロシンキナーゼPyk2の活性化を介していること、および、尿細管管腔内をアルカリ化することでこの酸化ストレスを抑制できることを発見しました。これらの成果は、従来、進行した慢性腎臓病に伴う代謝性アシドーシスに対する治療として用いられるアルカリ剤投与が、より早期から「尿のアルカリ化による酸化ストレス抑制」を目的に投与することで慢性腎臓病の進行抑制につながる新規治療法となる可能性を示すものです。

【論文題目】
Luminal Alkalinization Attenuates Proteinuria-Induced Oxidative Damage in Proximal Tubular Cells. (尿細管管腔内アルカリ化は、蛋白尿による近位尿細管細胞における酸化ストレス障害を改善する。)

  • JASN HP (論文はこちらからご覧になれます)

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